2012.08.12 Sunday
わが心の料理本
渡米前、妻とふたりで所有する料理本のコレクションはゆうに数十冊を超え、当然ながらアメリカに料理本を持っていくような余裕はなかったので、8割をフリーマーケットで処分し、2割だけを手元に残し、妻の実家に置かせてもらった。ふと気が向いて、今日の午後はそれらの生き残った本たちを眺めて過ごす。
眺めているだけで、襟元を正され、五感が冴え、エネルギーが満ち満ちてくるのが、米沢亜衣さんの3冊。驚異のデビュー作『わたしのイタリア料理』、そして、完全に料理本の域を超え、手に取るたびに崇高な気持ちに満たされる連作『イタリア料理の本』『イタリア料理の本2』。彼女の料理観と文章の見事さはちょっと他の追随を許さない。わずかの期間だったけれど、東京で開かれていた料理教室にも通うことができ、幸運だったなあと改めて思う。