手軽な自家焙煎コーヒー
葉山の友人が、春休みにバークレーに遊びに来た時に、何とコーヒーの自家焙煎機をはるばるアメリカまで携えてきて伝授してくれた。この焙煎機、ガスコンロの上で数分間ゆするだけで手軽に焙煎ができてしまうすぐれもの。「非電化工房」という、電気を使わない商品ばかりを揃えたすごい通販ショップがあって、そこで購入することができる。去年、廣瀬裕子さんの新しい本で知り、そのうち試してみたいと思っていた矢先のこと。そうと言わなくてもこちらの興味をちゃんと探り当ててくれる友人万歳。
焙煎するには、当然ながら、コーヒーの生豆(きまめ)を入手する必要がある。「きまめって、英語で何というのだろう・・・」と調べてみたら、何と「green coffee beans」と言うらしい。なるほど、その言葉のとおり、生のコーヒー豆は薄みがかった緑色で、はっとする美しさ。
さよならパーティのクッキー
無事に帰国
6月9日に帰国して、あっという間に2週間以上が過ぎた。2年間の歳月をまったく感じさせない家族・友人知人・気に入りの店。改めて、故郷はいいなあと思わせられる。反面、わずか2週間前までいたカリフォルニアでの記憶はどんどん意識の外に遠ざかっていき、彼の地の人々が今日もあのカラッと乾いた空気の中、生き生きと暮らしているであろうことさえもが、もはや実感をもって感じるのがむずかしく、自分の指針となる世界のひとつが手の届かない遠くに行ってしまったような、少し焦燥感を伴う心持もある。
たとえば、カリフォルニアを発つときは、日本に帰ったら、「チップス&サルサ」(メキシカンのトルティーヤ・チップスにトマトと香草のソース)をどんなにか懐かしく思うだろう、と思った。実際に帰って来てみると、気候のせいなのか、妻に呆れられつつも手荷物で持ち帰ってきたおみやげ用のチップスは期待したほど美味しくはなく、そんな些細なところにも、帰国した自分が、帰国したことによって知らず知らずのうちに変化しているのを感じる。