春休み、ふたたび
去年の今頃は、311が勃発して、重苦しい気持ちの中、学校の課題に追われ、夏のインターン先を探していたなぁ、と思い出す。そして、春休みが来て、葉山から来た友人とともに、雪山シャスタを訪ねたのだった。
今年の3月は、Kのための病院通いがメインで(多いときは1週間に3回!)、さらに卒業後の仕事探しをちょこちょこと。学校の単位はあらかた取り終わっているので、前学期までに比べれば、勉強は遥かにゆったりで(とは言え、卒業プロジェクトの進捗が思わしくなく、憂鬱な顔をして、家族の不興をかったりもする)、週末には気に入りのNorth Bayやらサンフランシスコやら、いろいろなところを散策して歩いている。
仕事探しは、まだまだ半ばなれど、何となく道筋がついてきたような感じがする。目指すはごみの仕事。或いはそれに隣接するような分野の仕事。とりあえず、別の国や多国籍な環境で、ピンポイントな経験を積みたいと思っているので、期間限定のプロジェクト雇用などを中心に探している。今のところ、インドでのNGOのリサーチ業務のオファーをもらっているのと、国際機関の短期コンサルタントへの応募を進めており、まずはそのあたりに落ち着きそうな予感。一度は発展途上国を体験してみなければと思っていたので、もし順調にインドに住めるとしたら、それは願ってもみないこと。
明らかになった我が子の障害
長男K。6歳3ケ月。自閉症でもダウン症でもない「広汎性発達障害」、つまり「よく分からない軽度発達障害」というカテゴリーで、これまで過ごしてきた。そんな状況にも既に何の違和感もなくなり、もはや正確な診断や原因を問う気持ちもなくなっていた今日この頃。
その障害の原因が、突然に明らかになった。染色体6番の欠失。症例の少ない稀なケースだという。青天の霹靂とは、まさにこのことだ。
やっと保険に入ることができ、ほとんど物見遊山のように出かけたカイザー病院。小児科の先生に「遺伝科にかかれば、もう少し詳しいことが分かるかもしれないわよ。紹介しましょうか?」と言われ、「ま、敢えて断る理由もないか…」という程度の消極的な気持ちで受診した遺伝科。そこで「何となく」受けた染色体検査で、あれよあれよという間にすべてが明るみに出たのだ。
ごみを拾って生きる人たち
エジプトで、「ごみの中に住み、ごみを拾って生きる人たちがいる」という話は、何年か前にテレビのドキュメンタリーで初めて知った。「ザバレーン」と呼ばれるキリスト教の家系で、何代にもわたって、ごみを集め、仕分けし、中から取り出したガラス瓶や缶などの有価物の売り上げで生計を立てているという。インドでも、スラムに住む大勢の女性や子供が同じような作業に従事している。エジプトのザバレーンが映画で大きく取り上げられたことで、認知が高まりつつある。
・・・そんな壮絶な現実は発展途上国だけのものかと思っていたら、何とここカリフォルニア、それもすぐ隣り町のオークランドにも厳然と存在することを知った。インターン先に誘われて見学に行った「Alliance Metals」という施設は、俗に「waste pickers」または「scavengers」と呼ばれる、ごみを拾い集める人々が、集めたごみを仕分けして、お金に代える場所だ。