グルテンフリー試作中
小麦粉を使わない「グルテンフリー」は当地では一般的で、スーパーの棚にも、グルテンフリーのお菓子や食べ物、代替製菓材料などがごく普通に並んでいる。
せっかくこんな恵まれた環境にいるのだから、グルテンフリーに挑戦してみない理由はない、ということで、挑戦してみることにした。なにしろ自分は、アレルギーテストで軽度の小麦アレルギーが判明しているのだ(何も症状は出ていないのだけれど)。
まずはいくつかきちんと美味しいお菓子を作れるようにならなければ。試みに買ってみた「All purpose flour」(万能粉)は、米粉とタピオカ粉が中心の配合。さて何を焼こうか、と、粉のパッケージに書いてあるサンプル・レシピを見て愕然。グルテンフリーというのは、小麦を使わないだけで、卵や乳製品は普通に使うのだ。ウェブ上でサーチしたグルテンフリーのレシピも同様。普通にバターや卵、そして大量の砂糖を使っている。
アメリカで、人生初の抜歯
(しかも無保険)
せっかくの健康的な休暇に水を差すように、虫歯が痛くなってしまった。11月後半に被せ物がポロリと取れた下から、深い虫歯が見つかった。すべての課題が終わるまで、痛みが出ずに待っていてくれたのはありがたかった。最後のレポートが完成した瞬間、ご飯をかみしめたらグキッと痛んだのだった。
慌てて評判の良さそうな歯医者に予約を入れる。しかし、それ以上に気がかりだったのは保険のこと。自分は今回、奨学金の医療疾病保険に入れてもらっているけれど、歯科だけは対象外。信じられないほど高額というアメリカの歯科治療。いったい払えるのだろうか、もしや緊急帰国?と不安は募る。
レントゲンを見ながら、ドクター:「これは深い。もう抜くしかないね。」 ガーン。まだ30代なのに。まさかこんなに早く歯を抜くことになるとは、というショックと、もっと歯の手入れに念を入れるべきだった、という後悔と、人より砂糖を食べていないのに何故!という不条理と、一体全体いくらかかるのだろう、という恐怖が一度に押し寄せる。「抜いたあとは入れ歯かブリッジかインプラントだけど、インプラントを勧めるよ。一生物だから」というドクターの説明が現実外の音のように聞こえる。
マクロビオティック、ふたたび
待ちに待った冬休みに突入。体力勝負に突入した最後の1週間。体を支えてくれたのはマクロビオティックの野菜スープだった。
マクロビオティックを初めて試したのはもう6年半も前のこと。それから、基本は常にマクロビオティックに据えつつも、外ではそれなりにいろいろ食べるし、時には生クリーム入りのケーキも作るし、パスタにはパルミジャーノもおろす、という生活を続けてきた。特にカリフォルニアに来てからは、「vegetarian food(=乳製品可の菜食料理)」が広く普及しているのはすばらしいのだけれど(大体どんなレストランでも対応してくれる)、「vegan(=完全菜食)」となるとほとんど選択肢がなく、砂糖不使用のお菓子やデザートに至ってはほぼ皆無という状況。だからここ半年くらいは、家では菜食をキープするも、脱線するに任せて、割にルーズな食生活を送っていた。
そこに来て、このシンプルで滋味深い究極の野菜スープ! 作り始めたのは妻なので、詳しいレシピは知らないけれど、玉ねぎと人参とかぼちゃときゃべつをすべてみじん切りにして、陰陽の順番に鍋に並べて水を注ぎ、そのままやさしく長時間火を入れるという、どうやらそれだけのもの。それを濾して、飴色に透き通ったスープの部分だけを、一日に何度でも、喉が渇いたときにお茶代わりに飲む(残った野菜がらは、餃子の具や、スコーンやケーク・サレなどに入れて二度楽しめる)。
あと1週間
課題も残すところあと1つ。その最後の1つが20〜30ページのレポートだったりもするのだけれど、それはひとまず保留にして、今日はほぼ3週間ぶりの完全オフを決め込む。
数年ぶりに皮から作ったヴィーガン餃子。先月遊びに来てくれた雑穀シェフの友人に倣い、高きびを餡に入れる(餡を作ったのは妻)。このところ、あまりに学校の勉強だけで手いっぱいで、グラノラを除けば何一つ作る余裕がなかったので、久々のこの手作りの感覚、そしてその裏切らない味に癒される。手作りはよいものだなあ。
それにしても今学期は大変だった。週末も半分以上はつぶれて、スローライフからは程遠い1学期だった。得たものは山ほど。しかし、そろそろ考え始めねばならない卒業後の進路を思うと、悩みは深まる(悩み:いかにして日常的に餃子を手作りできる生活を実現すべきか)。
しかしとりあえずはゆっくり寝ることにしよう。
-
Category : 北カリフォルニアでの日々
休憩時間
今学期も残すところあと2週間。怒涛の課題をかき分けつつ、つかの間の休憩時間。
土曜のファーマーズマーケットに出店しているMoonlite Bakeryのケーキ。店舗をもたないこのお店のおやつは、普通に砂糖入りだけれど、上質な材料と丁寧な作りで、僕の知る限り、この界隈ではピカイチおいしい。思わず毎回買ってしまう。子どもには「辛いお菓子だからごめんね」と嘘をつく(さもないとサバンナのハイエナ物語のようになってしまうから)。
気に入りのブルーボトルコーヒーとともに。
-
Category : 北カリフォルニアでの日々