虫の知らせか
ある晩、何の脈絡もなく85年の日航ジャンボ機墜落事件と2001年のアメリカ同時多発テロのことが頭に浮かび、深夜にネットサーチしてひとり恐怖に戦いていた(おかげで課題は滞る)。朝になってもその生々しい感覚が拭えず、朝一番のインターネットニュースをチェックするのが怖かった。
薄気味悪さを抱えたまま、学校に向かい、不穏な気持ちで勉強していると、「キャンパスで発砲事件発生。現場に近寄らないように」の緊急メールが飛び込んできた。既に犯人は取り押さえられたあとだったけれど、本当にすぐ近くの建物だった。犯人は学生で、本人が発砲する前に警察が駆け付け、警告に応じなかったので警察に射殺されたらしい。被害者ゼロとは言え、キャンパス構内では20数年ぶりという発砲事件。これだったのかなぁと思いながら、動悸が収まらない。
周りの学生は、みな話題にはしているものの、ごく平静に、快活に過ごしている。それが妙な現実感と言おうか、離人感のようなものを自分の中に作り出し、ドキュメンタリーフィルムを眺めているような哀しい気持ちに苛まれた。
結局、授業も休講にはならず、そのまま夜までキャンパスで過ごしてバスで帰宅。いつもはあっという間のバスが永遠に感じられたけれど、何事もなく帰宅。ほっとした。
先週は、授業のフィールドワークでオークランドの非営利団体を訪問したら、そのすぐそばで夕方に銃殺事件が起こったことが分かった。キャンパスでは州の予算カットや授業料値上げに抗議する学生デモが活発化していて、警察による暴力行使まで発生。何だか物騒な様相。耳を澄まして、注意すべし。
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Category : 北カリフォルニアでの日々
自転車のサドル、盗まれる
バークレーは治安が良いとは言え、自転車の盗難は日常茶飯事らしい。「気を付けた方がいいよ」といろいろな人から聞いていたけれど、そんな心配はもっと良い自転車を持っていればこそ。一応、自衛策として、100ドルの自転車に50ドルのU字ロックをつけて過ごしていただけれど、僕の薄汚いポンコツ中古自転車がよもや狙われる筈がない、と高をくくっていた。
ある日、気づいたらサドルが消えていた。U字ロックはしっかり固定されたまま。サドルだけ抜き取って行ったらしい。最初に頭に浮かんだのは「はて、僕の自転車のサドルは盗まれるほど素敵だっただろうか?」―最近はブレーキも壊れるし、車輪のチェーンもおかしくなるしで、何だか乗る意欲さえ減退していただけに、まさかこんな自転車のサドルを盗んでくれるとは!ちょっと得意な気持ちになった。僕のサドル、一体何色だっただろうか。もっとよく見ておけばよかった。
しかし、真面目な話、自転車のサドルなんて盗んで、一体どうするんだろう。そんなに高く売れるとも思えないし、単なるいたずらだとしたら、頂けない。卒業まであと半年。この満身創痍のポンコツ自転車に新しいサドルをつけてもらうべきか(そもそも自転車屋まで運ぶのが一苦労だ)、はたまた新しい中古自転車を入手するのが得策か・・・。
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Category : 北カリフォルニアでの日々
ごみの最終処分場を見学
インターン先の紹介で、アラメダ郡に3つある最終処分場のひとつ、Altamont Landfill(アルタモント最終処分場)を見学に行った。
高速道路に乗って、車で東に1時間(ひとりでこんな遠くまで運転できるようになった自分を誇りに思う!)。
見学者は8人ほどで、普段着のおじさんやおばさんばかりだったけれど、聞いてみれば、全員サンフランシスコ市の職員やら、リサイクル企業の幹部やら、環境コンサルタントやら、そういう人ばかりだった。同時に回ったLivermoreの中継施設を案内してくれた女性も、さながらハンバーガー店の店員のような派手さ。公務員を含む仕事人がきわめて自然体なのは、こちらの文化の好きなところ。