2016.05.13 Friday

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2013.06.11 Tuesday

美しい日本庭園の裏にあるもの

朝食を食べていたら、住んでいるマンションに付属の美しい日本庭園の方から、ブウウウウという草刈のようなモーター音が聞こえてきた。何気なく目をやって、目が点になる。何と、農薬を散布しているのだ。業者の人が背中にタンクのようなものを背負い、木の一本一本に大量の霧を吹きかけている。慌てて窓を全部閉め、洗濯物を中に取り込む。

「万が一」の可能性にかけ(もしかしたらただの水かもしれない)、決死の覚悟で近くまで行き、「何を撒いているんですか?」と尋ねてみたが、結果は非情にも「防虫です」。しかし、業者の人はマスクさえしていない。「マスクもしないで平気なんですか?」と聞くと、「えぇ全然平気です」と。きっとかなり濃度の薄いものをかけているのかもしれないが、本当に大丈夫などということがあるのだろうか。
「万が一」の希望にかけ(もしかしたら、ハーブ由来の天然系の防虫剤かもしれない)、その造園業者の事務所に薬剤の成分を問い合わせてみたところ、残念ながらそれは「スミチオン」という殺虫剤らしく、成分は劇薬指定のフェニトロチオン、キシレン、エチルベンゼン、灯油、トルエン、界面活性剤などだという。がっくりする(なぜマスクをつけていなかったのは不明。もしかしてもしかすると、本当に危険度の少ない別の薬剤を散布していた可能性もある)。

同時に、その造園業者がとても由緒正しい業者で、桂離宮やら、京都のいくつかの名だたる日本庭園の手入れを担う業者であることも知って、「そうか!美しい日本庭園は殺虫剤のお陰でうつくしかったのか!」と遅ればせながら気づき、愕然とする。

そういえば、特に桜の木は虫がつきやすく、美しい桜並木などは防虫剤が欠かせないと聞く。薬剤も「絶対ダメ」というよりは、その安全性(危険性?)と効果などを天秤にかけて是非を考えるべきものなのかもしれないが、気分的には、薬剤を使ってまできれいにした庭なんて見たくないなぁと思う。ここ八瀬では、桜の季節、山々の緑の中に点々と咲く自生の山桜を見ることができ、その素朴な風情は、これまでに見たどんな桜よりもうつくしいものだった。自分が見たいのは、そんな桜であって、殺虫剤の手を借りた庭園の桜ではない。でも、薬剤の有無を知るまでは、ただ見るだけではそれに気づかないのが人間の悲しいところだ。ここ京都に来て、あちらこちらの美しい日本庭園に浮かれていた自分であった。

郊外に引っ越すとき、畑に囲まれた土地は、一見自然豊かに見えても、農薬散布がすごくて要注意だという話はよく耳にする。特に茶畑は、美しい外観とは裏腹に凄まじい農薬だとか。土地選びとは難しいのだなぁと思っていたが、またひとつあらたに「庭園」という死角に気づかされた。 

2016.05.13 Friday

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