2016.05.13 Friday

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2012.01.11 Wednesday

キンダーガーテン、一学期を終えて

もしかしたら自分の大学院以上に、多くの新鮮な発見をもたらしてくれた長男Kのキンダーガーテン。以下に並べるのは、特に印象的だったことの雑記。

‖膤萍する親たち
入学時から、「保護者のみなさんの協力は教室運営の不可欠な一部です!」と親の積極的なボランティア参加が呼びかけられ、実際、大多数の親が何らかの手伝いをしているように見受けられる。定期的なボランティア(たとえば週1回の教室内でのサポートや、休み時間の校庭での見張り番)のためには、事前に結核の検査と指紋の登録が必要で、その費用(ひとり分でも数千円をくだらない金額)もすべて学校が負担する。そこまで大がかりに関われない親は、たとえば遠足のとき、一回限り随行したり、イベント時に受付をしたり、もっとささやかなところでは、教室での持ち寄りパーティのときに料理やお菓子を作ってきたり、テーブルの準備をしたり、週1回出される宿題のプリントを先生に代わって各生徒のファイルに挟み込んだり(←ものの数分で終わる)・・・。とにかく、「親が関わることこそが大事!」というあり方には目を開かされた。

呼びかけも、先生から保護者全員宛てのお願いメールがしょっちゅう届く。「今週金曜の遠足に同伴してくれるボランティアが6人くらい必要です。どなたかぜひ〜!」「授業のあとにハロウィーンパーティをやりましょう。子どもが楽しめる料理やお菓子をお待ちしてます!」といった調子で、きわめて気軽。親もどんどん手を挙げ、先生も笑顔で「Thank you!」という対等な雰囲気が良い。毎週メールで届くニューズレターには、「先日のパーティを手伝ってくれた○○(○○のお母さん)、○○(○○のお母さん)・・・・、ありがとう!」といった文字が目立つ。

うちなど、自分は平日は学校の勉強があるし、妻は下の子がいるので、最初は「ボランティアって言われても・・・」と面食らった。でも、パーティのときに食べ物を持っていったり、ちょっとファイリングを手伝ったりするだけで、ちゃんと感謝し、認めてくれる。そして、当然だけれど、参加することで、より教室での子どもたちの様子がよく分かってくるし、ほかの親との交流も密になる、といった副産物はすばらしいものだと感じた。

遅刻と欠席
やはり、遅刻の概念は日本とは別次元。規則では「8時20分までに校庭にクラス別に並び、先生の先導で教室に入ります。8時30分から単元がきっちり始められるよう、遅刻は絶対にしないように」となっているけれど、それは言わば書類上の「理想」のようなものと思われ、8時20分に校庭に並んで先生を待っている生徒はむしろ少数派。時々Kを8時30分ギリギリに教室に送り届け、始業のベルに間に合ったことに安堵しながら正門を出ると、「これから登校する同級生」に遭遇することもしばしば。しかも、全然慌てることなく、「悠然そのもの」といった姿は何度見ても感服してしまう。

欠席については、配布されたプリントに「生徒が1回欠席するごとに、州からの補助金が32ドル減額となります。極力欠席しないでください。病気なら仕方ありませんが、病院の予約などはなるべく放課後に入れてください。少しでも登校すれば補助金はもらえるので、可能であれば、休ませずに遅刻や早退を選んでください。旅行は週末に計画してください。旅行などで休ませる場合は、補助金の損失を埋め合わせるために、ぜひ32ドルの自主募金をしてください」とある。すごい。ここまで書かれては、そうそう休めないな(別に休ませたい理由はないけれど)、と思っていたら、ある時、Kが「同級生のC君が旅行に行っていて休みだ」と言う。後日、お母さんが「タホの湖に行ってきたの。すばらしかったわ〜」と朗らかに話していて、「なるほど、そうか」と妙に納得した。

K莉偽睛砲魯ッキング
キンダーガーテンではアルファベットの読み書きを教わる。毎週「A」「B」「C」とひとつずつ文字に取り組み、その週はその文字から始まるものの絵を書いたり、いろいろその文字をテーマにした勉強をしている。そして金曜日は、その文字から始まる料理やおやつのクッキング!Aはアップルソース、Bはバナナブレッド、Cはカリフォルニアロール、Dはディルディップ・・・と、なかなか愉しいラインナップ。Kはこれを食べるのをたのしみにしている。毎週末に先生からメールされるニューズレターには、次の週の単元の予定が箇条書きされているのだけれど、毎週のように「金曜:クッキング〜何かGで始まるものを作ります(グラノラ?ニョッキ?それともグラッシュ???)」などと書かれていて、材料調達やレシピ、手順などいろいろ調整もあるだろうに、「え、まだ決まってないの!?」と日本人的感覚としては毎回驚いた。そして、どうやら毎回食べきれないくらいの量を作り、たっぷり余ったものを翌週に再び食べさせてもらっているらしい。バナナブレッドなどはいいとして、カリフォルニアロール!?ディップは!?・・・ここは平静を保ち、黙してアメリカ基準に従うべし。

Nut Freeスクール
入学日から、「当校はNut Freeスクールです。ピーナツ、アーモンドなどのナッツ類、ピーナツバター、そしてナッツ油を使った食べ物などは、一切持ち込み禁止です」という張り紙や案内が至る所でされていた。ハロウィーンやクリスマスの持ち寄りパーティでも、「食べ物大歓迎。ただしナッツは無しで!」の文字が踊る。聞けば、重度のナッツアレルギーの子がいるのだと言う。ナッツアレルギーは深刻だし、割に数も多いと聞くので、特にキンダーガーテンなどでは「禁止」にしてしまうのがいちばん安全だなと納得したけれど、こういう場合、日本だったらどうなるのだろう。自分の個人的な記憶の限りでは、むしろ「アレルギーはその子の問題だから、その子(と親)が責任をもって自己防衛すべし」という雰囲気だったように思う。最近は日本でもアレルギーの子が多いから、学校によっては柔軟かつ大胆な対応を取っていたりするのだろうか? 時代が変わっていることを願うけれど、この「ひとりの弱者のためにみんなが協力する」という爽やかさは、もしかしたらアメリカらしさと呼べるものなのかもしれないな、という気もする。しかも、ピーナツバター(略してPBと人は呼ぶ)はアメリカ人の生活と切っても切り離せないくらい重要な食べ物なのに。きっぱりとNut Freeを宣言できる我が校、すばらしい!

ゥ好ールランチ
ランチは、家から弁当を持って行ってもよいし、1食3.5ドルのスクールランチ(給食)を買うこともできる。うちは弁当を持たせているけれど、クラスの半分くらいがスクールランチを食べている印象。献立は、たとえば今月だと・・・

第一週
・月曜:ナゲット、ターキー・サンドイッチ+牛乳
・火曜:パスタ、ハムチーズ・サンドイッチ+牛乳
・水曜:ホットドッグ、バタージャムサンド、サラダバー+チョコレートミルク
・木曜:ピザ、ターキー・サンドイッチ、サラダバー+牛乳
・金曜:野菜炒麺(たぶん中華)、ハムチーズ・サンドイッチ、サラダバー+チョコレートミルク

第二週
・月曜:休み
・火曜:マカロニ&チーズ、バタージャムサンド、サラダバー+牛乳
・水曜:ナチョス(メキシカン)、ターキー・サンドイッチ、サラダバー+チョコレートミルク
・木曜:ピザ、ハムチーズ・サンドイッチ、サラダバー+牛乳
・金曜:ホットドッグ、バタージャム・サンド、サラダバー+チョコレートミルク

第三週
・月曜:ブリトー(メキシカン)、ターキー・サンドイッチ、サラダバー+チョコレートミルク
・火曜:パスタ、ハムチーズ・サンドイッチ+牛乳
・水曜:ハンバーガー、バタージャム・サンド、サラダバー+牛乳
・木曜:ピザ、ターキー・サンドイッチ、サラダバー+牛乳
・金曜:タコス(メキシカン)、ハムチーズ・サンドイッチ、サラダバー+チョコレートミルク

以下、続く・・・といった調子で、子どもは大喜びしそうだけれど、日本の充実した学校給食の概念からは程遠い、単調かつ微妙にジャンキーなラインナップ。しかも「サラダバー」は各自が自主的に取るスタイルなので、みんながきちんとサラダを食べているかは怪しいという声も。それでも、聞くところによると、我が校のスクールランチは「めったにないほど栄養バランスが良い」と評判らしく、ウェブサイトでも「可能な限りオーガニックの素材を使っています」「パスタは全粒粉、米は玄米です」と謳っている。チョコレートミルクが週2回も出るのは本当に仰天だけれど、これはどうやら「チョコレートが入れば更なるカロリーが確保できる」というプラスの考え方によるものらしく(低所得者向けの食糧補助券のガイドにそういうアドバイスが書かれていて、ほ・ん・と・う・に仰天した)、ウェブサイトにも「週2回チョコレートミルクを出しています」と自慢のように書いてある。世の中は広い。

Kはこのスクールランチが憧れ。なので、誕生日とか、特別なときにはスクールランチを食べてもいいよ、ということにしている。帰ってきたあとは、「おいしかったー」と本当に幸せそう。何の事前予約も不要で、当日の朝に申し込めば食べられる。一体全体、毎日何食分用意しているのだろう。そして、何食分廃棄しているのだろう。お皿やスプーン、フォーク類もすべて使い捨て。妻の証言によれば、ランチタイムが終わると、先生が「はい、ランチタイムは終わりです。みんなでごみ箱に捨てましょう!」と言うらしい。いちばん先進的という北カリフォルニアだけれど、この辺はやっぱり「ザ・アメリカ」だなぁと思わせられる。

※タイムリーに、世界各国の給食の写真を載せて比較しているサイトを発見。たのしいです!
http://matome.naver.jp/odai/2131638883819736101

先生のお休み
担任の先生というのは、休みにくくて本当に大変な仕事だと思う。とは言え、休まなければならない事情は必ずあるはずだから、日本でもきっと代理の先生のシステムというのはいろいろ整えられているのだろうなと想像する(全然疎いのだけれど)。Kのクラスでは、ある日、先生が「水曜はウィスコンシンから友達が来るので休みます。代理の先生が来ます」ということがあった。日本ではきっと、この理由で休むことは一般的には受け入れられないだろうなぁ。それを普通にオープンにできる環境が整えられていることをよろこばしく思った。先生の精神衛生は確実に向上するだろうし、先生の精神衛生の向上は生徒にとって必ずプラスに作用するに違いない。

А嶌週の友だち」
キンダーガーテンでは、毎週ひとりずつが"Friend of the Week"(今週の友だち)に指定され、家でいろいろ写真を貼りつけた特大のポスターを準備して持参する。その週は、授業の一環として、皆でその子にいろいろインタビューをしたり、「その子のことを深く知りましょう」という週間になる。そして、大抵の親は週の真ん中あたりで、全員分のケーキやらマフィンやらを教室に差し入れする。Kは当初「菜食」と申し入れをしておいたため、先生が「代替のおやつを預けてください」と申し出てくれたのだけれど、せっかくみんなでおやつを楽しむ機会、しかも、インターナショナルな親たちが持ってくる様々なおやつを食べられるのは価値ある経験に違いない、ということで、週1回という頻度(金曜のクッキングも合わせれば週2回)は理想から言えば少し多すぎるのだけれど、「みんなと同じに食べさせてください」と方針変更した。

こういう企画、いいなぁと思う。今の日本の学校ではどうなのだろう。自分が育ったころは、「週末に○○に行きました。たのしかったです」的な話し合いや作文はいろいろあったように思うけれど、「あなたのことを知りましょう」というような直球のアプローチは記憶にない。クラスにはシングルマザーの家庭も目立ち、それらの子のポスターは、父親が出て来ない分、バラエティ豊かな人々の写真が登場するのだとも。多様なバックグラウンドが「そもそも少なく」「見せる機会もなく」「あったとしてもむしろ伏せるべき」だった自分の学校時代とは対照的。幼少時から多様性に触れ、自分のことを恥じずに人に伝える訓練をし、それが評価されるって、シンプルにいいことだなぁと思う。国全体を見れば、それだけ格差に直結する社会問題も山積みなわけだけれど、多様性そのものの上に成り立つ教育のあり方には、やはり、わくわくするような感動を覚えた。

******

留学前、子持ちで留学して苦労した人と話す機会があり、「いやー、子どもがいるゆえの苦労もあるけれど、子どもがいるからこそのすばらしい体験ができますよ」と話してくれたけれど、まさにそのとおりだった。わずか1学期で、こんなにも新たな発見をもたらしてくれたキンダーガーテン。家族みんなの一生の思い出になるに違いない。 

2016.05.13 Friday

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