2019.11.08 Friday

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2011.12.28 Wednesday

アメリカで、人生初の抜歯
(しかも無保険)

せっかくの健康的な休暇に水を差すように、虫歯が痛くなってしまった。11月後半に被せ物がポロリと取れた下から、深い虫歯が見つかった。すべての課題が終わるまで、痛みが出ずに待っていてくれたのはありがたかった。最後のレポートが完成した瞬間、ご飯をかみしめたらグキッと痛んだのだった。

慌てて評判の良さそうな歯医者に予約を入れる。しかし、それ以上に気がかりだったのは保険のこと。自分は今回、奨学金の医療疾病保険に入れてもらっているけれど、歯科だけは対象外。信じられないほど高額というアメリカの歯科治療。いったい払えるのだろうか、もしや緊急帰国?と不安は募る。

レントゲンを見ながら、ドクター:「これは深い。もう抜くしかないね。」 ガーン。まだ30代なのに。まさかこんなに早く歯を抜くことになるとは、というショックと、もっと歯の手入れに念を入れるべきだった、という後悔と、人より砂糖を食べていないのに何故!という不条理と、一体全体いくらかかるのだろう、という恐怖が一度に押し寄せる。「抜いたあとは入れ歯かブリッジかインプラントだけど、インプラントを勧めるよ。一生物だから」というドクターの説明が現実外の音のように聞こえる。

しかも、時期が悪かった。ちょうどクリスマス休暇と年末休暇で、この歯医者はこの日が最終日。「1月まで待つのは長すぎるだろうから、緊急で抜歯をしてくれる歯医者を紹介しよう。」 レセプショニストが電話をかけてくれ、2件に断られ、3件目に予約が入る。この日の診察はもともと250ドルと言われていたけれど、「治療ができなかったから」、レントゲンのみで150ドル。

そして今日。かかったのはBerkeley Orinda Oral Surgeryという、きわめて単刀直入な名前の病院。ネット上での評判はきわめてよかった。見てくれたドクターも本当に親切で、一縷の望みをかけて「抜歯しなくていい可能性はないですか?」と尋ねる自分に、「I'm sorry, だけどこんなに深くてはどうしようもない」とドクター。「インプラントができるように、歯を抜いて、そこに人口骨を詰めておきましょう。それでいいですか?」もはや、ほかに道なし。決心を固める。快活なドクターは、「何を勉強しているの?」自分:「公共政策です。」ドクター:「卒業後はどうするの?」自分:「うーん、どこかで仕事を探すことになりますね。ビザの関係で、ここ以外のどこか別の国で。」ドクター:「(満面の笑みで)That's exciting!」

さて、事前に緊張の支払い手続き。ネットで調べたら、親不知をアメリカで無保険で抜いた日本人の方の体験談がいろいろ載っていて、相場は4万〜10万くらいと踏んでいた(10万だったら泣く泣く払える値段。どうかそれを超えないでほしい!)。出された請求額は375ドル(3万円あまり)。「これなら払えます!よかった〜!」と小躍りする自分に、会計担当の女性:「普通は550ドルくらいだけど、ドクターがディスカウントしてくれました。」自分:「え、本当に!?」会計女性:「彼はいい人だから。」

笑気麻酔と部分麻酔で、あっけなく施術は終了。施術中も、フレンドリーに「大丈夫?居心地は悪くないかな?」「もうすぐドリルの音が聞こえるよ。」「次は強く押します」とものすごく丁寧に説明してくれ、麻痺した頭で理解するのがやや大変だったけれど、施術自体はきわめて快適。何もトラブルはなかった。

鈍痛の残る口に流動食を含む。後悔と、諦念と、すっきりした気持ちと。あぁ、残りの人生、もっともっと歯を大切にしなければ。しかし、無保険での恐怖の歯科体験を、大きな問題なく乗り過ごせたことに感謝すべきだろう。とんでもない休暇のおまけ。年末までの平和な日々がたのしみ。 

2019.11.08 Friday

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