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2011.06.11 Saturday

焼却大国、日本

インターンが始まって、毎日ごみのことばかり考えている。

世界の焼却炉の3分の2が日本にある、という衝撃的な事実を知ったのはつい数年前のこと。少しデータが古いけれど、OECDの統計によれば、焼却炉の数のトップ10は・・・

1. 日本:1,680カ所(2001年)
  ※市町村合併や広域処理の推進などで、2009年は1,243カ所まで減少
2. ドイツ:154カ所(2004年)
3. フランス:134カ所(2004年)
4. アメリカ:88カ所(2005年)
5. イギリス:55カ所(2000年)
6. イタリア:50カ所(2005年)
7. オーストラリア:45カ所(年データなし)
8. 韓国:30カ所(2002年)
9. デンマーク:29カ所(2005年)
10. スイス:29カ所(2004年)


日本だけ1ケタ違う。世界のほとんどの国では「埋め立て」が基本で、「焼却」が世界のスタンダードではないのだ、と知ったときは本当に驚いた。日本では、最終処分場(埋め立て場所)が不足していて、埋め立てこそが悪だと教えられてきたはずなのに、有害物質の主要な発生源となる焼却をごみ処理の基本としていることで、日本が海外の環境保護団体などから厳しい視線を浴びていることも知った。

ただ、焼却炉の「数」だけを比べるのは、情報としてはやや不公平で、例えばアメリカはひとつひとつの焼却炉がばかでかい(平均容量は日量860トン!)。日本は、伝統的に各市がそれぞれ焼却炉を建ててきたため、ひとつひとつの焼却炉はとても小さい(平均日量120トン/2001年当時)。それぞれの国にある焼却炉の容量(年間)で比べると、↓このとおり、差はかなり縮まる。

1. 日本:73,998,000トン
2. アメリカ:27,798,000トン
3. ドイツ:20,870,000トン
―フランスはデータがないけれど、この辺になりそう―
4. イギリス:4,452,000トン
5. イタリア:4,376,000トン

さらに、これを人口ひとりあたりに割り返すと(人口は2010年の推計人口なので、数字は参考程度です)、↓このとおり、デンマークが日本を上回り、意外なことに、環境に良さそうな小国が勢ぞろい。国土の狭さ、経済水準の高さが、焼却への依存と密接に結びついていることが見て取れる。

1. デンマーク:0.609トン
2. 日本:0.585トン
3. スイス:0.440トン
4. スウェーデン:0.407トン
―データのないフィンランド、ノルウェー、フランスあたりも、この辺に来そう―
5. ドイツ:0.254トン
  ・・・
番外:アメリカ:0.089トン

ちなみに、家庭ごみの焼却率(家庭ごみ全体の何パーセントを焼却しているか)を見てみると・・・(同じくOECDのデータでざっくりと計算しています)

1. 日本:74% ※環境省発表の最新データで計算すると80%前後のはず
2. デンマーク:54%
3. スウェーデン:50%
4. スイス:50%
5. ルクセンブルク:39%

リサイクル率の低い日本が再びトップに来る(デンマーク、スウェーデン、スイスのリサイクル率は40%台、日本は20%前後)。でも、日本にもいいところはあって、ひとりあたりのごみ発生量は先進諸国の中では際立って少ない(計算方法が国によって違うので単純な比較はできないけれど)。実際、アメリカに住んでみると、「いくらリサイクルされるからとは言え」、紙袋や生分解性プラスチックの使い捨て容器などの使用量の多さに驚かされる。

焼却、埋め立て、リサイクル。それぞれに問題を抱えている。埋め立ては、メタン(温室効果ガス)の発生率も高く、EUでは、埋め立て削減に向けた指令が出されていて、「焼却、堆肥化、バイオメタン化の検討を進めるべき」という一文まで含まれている。ただ、焼却も、一般に思われているほど安心&無害ではなく、ストックホルム条約では汚染物質の主要な発生源として、「ごみの焼却を減らす&なくす」必要が明文化されている。焼却でいちばんオソロシイのは、高温での化学反応によって、もともとのごみには含まれていない様々な有害物質(ダイオキシンなど)が大量に発生してしまうこと。昨今の焼却炉には高度なフィルターがついているので、有害物質がそのまま煙突から大気中に流れ出すわけではないけれど、すべてを除去できるわけではないし、除去されたものも分解・消滅するわけではなく、焼却灰の中に残留する。そんな危険な灰を、いかに厳重に埋め立てたところで、絶対に漏れ出てこない保障はない(これは歴史を見れば明らか)。日々ごみが出て、国土が狭い以上、無責任に「焼却をやめるべき」とか「そのまま埋め立てた方が安全」などと言うことはできないけれど(当たり前)、こういったリスクについては、みんながもっと知っておいた方がいいなと感じる。

ところで、日本では、家庭ごみの約8割が焼却され、約2割がリサイクルされている(埋め立ては約2%)。焼却されている家庭ごみの組成を見ると、通常、約半分が生ごみ。紙、布、プラスチックなどの「本来はリサイクル可能」なものを合わせると、実に80%が資源化可能である(=本当は焼却する必要がない)ことが分かっている。そうは言っても、「国や自治体が動かなければどうしようもない」と思う人が多いかもしれない。たしかに国や自治体の責務は大きいけれど、そんなややこしい政府の政策転換や産業界の変革を待たなくても(←事実です)、早い話が、「ごみを減らしたい!」と思った人が自分の家で生ごみ処理を始めれば、今すぐにでも「焼却しなければならないごみ」は半減する。発生するごみが減ってくれば、国や自治体の方針は否が応でも変わる。それは、「私だけがやっても無駄」なのではなく、「ひとりひとりがやることで、世界が変わる」種類の行動なのだと思う。

東北の被災地では、災害ごみの処理が遅々として進まないと聞く。節電の必要から、東京の焼却炉でも通常どおりに焼却ができず、ピットに未処理のごみが溜まっているという報道もあった(ロサンゼルス・タイムズ)。ごみ問題の根深さや、地球環境の危うさを思えば、正直なところ、燃やさなくてもよいはずの家庭の生ごみを燃やしている場合ではない。政策として生ごみの非焼却=分別資源化が進んでいくことが必要だけれど、さしあたっては、「足元から世界を変えるために」、今日からでも、ひとりでも多くの人に生ごみ処理に取り組んでもらえたら、と願う気持ちがある。それに、何より、生ごみ処理は、一般に思われているよりもずっと手軽で快適なのだ!

そんな我が家のたのしき生ごみ処理については、近日中にアップします。 

2016.05.13 Friday

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